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八巻 徹也*; Nuryanthi, N.*; 喜多村 茜; 越川 博*; 澤田 真一*; Voss, K.-O.*; Severin, D.*; Tautmann, C.*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 435, p.162 - 168, 2018/11
被引用回数:8 パーセンタイル:62.99(Instruments & Instrumentation)フッ素系高分子膜(PVDF及びETFE)に直径数十から数百nmのイオントラックを作製し、化学エッチング処理によってイオン穿孔を、またグラフト重合によってイオン交換膜を作製する技術をそれぞれ開発した。PVDF膜におけるイオン穿孔膜に関しては、穿孔径がLETに依存することがわかり、高い精度で形状制御が可能であることを示した。また、グラフト重合によるETFEのイオン交換膜は燃料電池の電解質膜に適することを示した。このように我々が開発した技術は、水質管理や石油精製などのろ過技術、及び燃料電池の分野に貢献する。
浅井 志保; 半澤 有希子; 今田 未来; 鈴木 大輔; 間柄 正明; 木村 貴海; 石原 量*; 斎藤 恭一*; 山田 伸介*; 廣田 英幸*
Talanta, 185, p.98 - 105, 2018/08
被引用回数:8 パーセンタイル:31.98(Chemistry, Analytical)放射性廃棄物処分場における長寿命核分裂生成物(LLFP)の被ばくリスクを評価するためには、LLFPの分析が不可欠である。本研究では、マイクロ陰イオン交換カートリッジ(TEDAカートリッジ)を用い使用済燃料溶解液からZrを分離してLLFPの一つであるZrの存在量をICP-MSで定量した。TEDAカートリッジは、同等の分離に必要な従来分離材料(陰イオン交換樹脂)の1/10以下の体積(0.08cm)であっても優れたZr分離性能を維持し、使用済燃料中のほぼ全ての共存元素を迅速に除去できることを確認した。また、従来材料の約10倍の流速で処理が可能であるため、1.2分で分離が完了した。得られたZr定量値は、実測値による検証実績がなかった燃焼計算コードORIGEN2の正しさを実証する結果となり、ORIGEN2の信頼性も確認できた。
宮本 ユタカ; 安田 健一郎
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences (Internet), 18, p.13 - 15, 2018/07
これまでの研究で開発した陰イオン交換カラム1本による逐次分離法には、酢酸,塩酸そして硝酸の混合溶液を溶離液に使うことで、機能性の配位子や特別なカラムを使うことなく、ピコグラム量のアメリシウムをランタニドから完全に分離できる能力があることが分かった。この実験結果は環境試料中のアメリシウムやプルトニウム,ウラン,トリウムの極微量アクチニドが、この混合溶媒と一本の陰イオン交換カラムで逐次分離できることを意味している。
八巻 徹也*; 後藤 光暁*; 澤田 真一*; 越川 博*; 喜多村 茜; 比嘉 充*
QST-M-8; QST Takasaki Annual Report 2016, P. 35, 2018/03
本研究では、重イオンビームグラフト重合法によりイオン交換膜を作製する手法を開発し、海水濃縮に応用した。フッ素樹脂(ETFE)の基材に対して、560MeVのXeビームをフルエンス310 110ions/smで照射し、その後、スチレンスルホン酸エチルエステルのグラフトと加水分解及び、クロロメチルスチレンのグラフトと四級化によってイオン交換膜を得た。イオン交換容量は2.02.5mmol/gに調節した。作製した膜の吸水率及び抵抗値は、従来の線照射膜に比べて低い結果を示し、海水濃縮に適することがわかった。これは、イオンビームによってナノメートルスケールの局所的かつ高密度なエネルギー付与を制御した結果である。なお、フルエンス310ions/smの場合、イオントラック径は250nmで、全体に占める体積の割合はわずか14%であった。
宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 間柄 正明
Analyst, 140(13), p.4482 - 4488, 2015/07
被引用回数:6 パーセンタイル:21.67(Chemistry, Analytical)ウラン,トリウム,鉛,ランタニド元素を一本の陰イオン交換カラムを使って自動的かつ逐次的に分離した。この分離は塩酸,硝酸,酢酸,フッ化水素酸からなる組成が単純で高純度の酸の混合物を溶離液に使うことで達成できた。この単純かつ自動分離システムを窒素圧縮ガスで稼働し、コンピュータプログラムで制御している。分離評価では粉末岩石標準試料をこのシステムで分離した。0.23ngのルテチウムなど目的元素の元素含有量を分離回収率や操作ブランクの補正なしに正確に定量することができた。この分離システムによって、化学分離にかかる時間や労力を削減することができ、少量の環境試料中元素の極微量定量・同位体分析に有効である。
浅井 志保; Limbeck, A.*
Talanta, 135, p.41 - 49, 2015/04
被引用回数:19 パーセンタイル:58.6(Chemistry, Analytical)本研究では、ウラン精鉱の産地情報を示す有力な指標となる標準隕石規格化希土類元素存在度パターンの新規分析法を開発した。開発した分析法では、ウラン精鉱中に不純物として存在する希土類元素をイオン交換樹脂中に濃縮させ、固体試料の質量分析を可能とするレーザーアブレーション(LA-)ICP-MSによって測定することで迅速簡便化を達成した。LAでは、ICP-MSの従来測定法である溶液測定法と比べて、主なスペクトル干渉要因となるBaや重希土類の酸化物・水酸化物の生成を効果的に抑制できる。本方法の実試料分析への適用性を実証するため、ウランを主成分とする試料に適用した。LA-ICP-MS測定結果から得られた希土類元素存在度パターンは、従来法による測定結果から得られたパターンと不確かさの範囲内で一致し、本方法によって得られるパターンが正確であることを確認できた。
三村 均*; 山岸 功
ゼオライト, 31(4), p.115 - 124, 2014/12
福島第一原子力発電所事故対策を進める上で、50万トン規模の高汚染水が大きな障害となっている。海水が混入した高汚染水の浄化、特にセシウムの選択的除染に対しては、無機イオン交換体充填吸着塔による循環注水冷却システムが稼動しており、冷温停止が達成されているが、運転システムの高度化や二次固体廃棄物の安全管理および処分が課題となっている。ここでは、ゼオライトを主体としたセシウムおよびストロンチウム選択性吸着剤の吸着特性および固化特性を比較評価するとともに、吸着剤の高機能化の試みを紹介する。特に、わが国に豊富に産出する天然産ゼオライトは、セシウムに高い選択性を有すると共に、高温でのガス状セシウムのトラッピング機能および安定固化を実現できる自己焼結機能など優れた特性を有しており、高汚染水の処理および処分において今後重要な役割を果たすものと期待できる。さらに固体廃棄物の安全管理の現状および安定固化技術の開発状況について解説し、将来的な処分に対する課題を整理する。
大谷 洋史; 水井 宏之; 東浦 則和; 坂東 文夫*; 遠藤 伸之*; 山岸 隆一郎*; 久米 恭*
平成25年度公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター研究年報,16, P. 66, 2014/10
若狭湾エネルギー研究センターは、「ふげん」の受託研究として、イオン交換樹脂を減容安定化処理した後の残渣を用いたセメント混練固化に関する手法の調査及び試験を行い、以下の結果を得た。(1)粉砕による脱気処理を低減容処理灰化樹脂に施した上でセメント混練を行い、膨張の発生が無いことを確認するとともに、セメント混練固化体について各種試験を行い、均質・均一なセメント固化体が得られること及び強度条件も満足することを確認した。(2)脱気処理した低減容処理灰化樹脂を用いたセメント混練物に、化学混和剤(減水剤)を添加することで、流動性が25%以上増すことを確認した。(3)化学混和剤を添加したセメント混練固化体について各種試験を行い、均質・均一なセメント固化体が得られ、強度条件も満足することを確認した。(4)低減容処理灰化樹脂及びセメント混練固化体からの溶出試験を行い、各々、脱気処理及び化学混和剤添加による影響はないこと、セメント混練固化することによって溶出が抑制されることを確認した。以上の結果から、低減容処理灰化樹脂に対して粉砕による脱気処理及び化学混和剤の適用したセメント混練固化体は、廃棄体の技術要件を満たす見通しが得られた。
岩井 保則; 山西 敏彦; 磯部 兼嗣; 西 正孝; 八木 敏明; 玉田 正男
Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.815 - 820, 2006/02
被引用回数:15 パーセンタイル:70.56(Nuclear Science & Technology)アルカリの添加なしに直接電解が可能な固体高分子電解法(SPE)は核融合で発生するトリチウム水の処理システム向け電解プロセスとして魅力的であるが、使用においては特にイオン交換膜の放射線耐久性を考慮する必要がある。市販イオン交換膜であるナフィオン膜の放射線耐久性を、原研高崎研究所のCo-60照射施設及び電子線加速器を用い、引っ張り強度,イオン交換能,電気伝導率,透過係数,単位重量あたりの溶解フッ素量等の観点から検証した。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主鎖にスルホン酸基を側鎖に有するナフィオン膜は、浸水状態における線照射時の引っ張り強度の劣化挙動がPTFEの劣化挙動と大きく異なることを見いだした。イオン交換能の照射線量依存性はナフィオンの各グレードにおいてほぼ同様であった。いずれにせよ核融合実験炉ITERにおいてイオン交換膜に求められる積算照射量530kGyまでは問題となるまでの性能低下が起こらないことを見いだした。ナフィオンの放射線耐久性はその構造式から推定されるよりも高く、温度や照射線種などの影響を検証するとともに、ラジカル反応機構から雰囲気が与える影響を考察した。
永目 諭一郎
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 6(2), p.A21 - A28, 2005/12
原研における超アクチノイド元素ラザホージウムの放射化学的研究をレビューする。超アクチノイド核種Rfを東海研タンデム加速器を用いてCm(O,5n)反応で合成し、最大生成断面積を13nbと決定した。生成率は2分間に1原子であった。このRfの酸溶液中でのイオン交換挙動を、当グループで開発した迅速イオン交換分離装置を用いて単一原子レベルで系統的に調べた。その結果、塩酸や硝酸溶液中ではラザホージウムが周期表第4族元素の性質を示すことを明らかにした。一方フッ化水素酸溶液中では、他の第4族元素とは著しく異なるイオン交換挙動を示した。この奇妙な化学挙動は重元素領域で期待される相対論的効果の影響を示唆している。
木村 貴海; 桐島 陽*; 有阪 真
希土類, (47), p.43 - 56, 2005/11
時間分解レーザー誘起蛍光分光法は、単に高感度かつ高選択的な分析手法としてだけでなく、イオンの溶液内構造や熱力学的特性をも測定可能な用途の広い方法として、今ではアクチノイド研究にとって重要な研究手段の一つとなっている。本講演では、アクチノイド(III)とランタノイド(III)の配位環境の比較,固液界面における微量化学種の状態解明,水熱溶液中でのウラン(VI)の加水分解・錯形成反応,水溶液中におけるウラン(IV)の初めての蛍光測定など、最近の進展を報告する。
平山 文夫; 黒沢 節身; 間柄 正明; 市村 誠次; 河野 信昭; 鈴木 大輔; 伊奈川 潤; 後藤 基次; 桜井 聡; 渡部 和男; et al.
KEK Proceedings 2005-4, p.184 - 192, 2005/08
保障措置環境試料を対象にした極微量核物質(ウランとプルトニウム)の分析技術開発を行っている。今回、試料全体の当該核物質の平均値を求めるバルク分析について、実試料を用いたこれまでの分析結果をもとに、定量性及び化学分離性能の点でIAEAの基本要求を十分に満足していることを紹介する。また高度分析技術開発の一環として、分離操作の迅速化で取り上げた遠心イオン交換分離法が、プルトニウムの迅速精製分離に適用できること、並びに試作した低ウラン含有スワイプ材が、従来品のウラン含有量の1/100であり、かつ拭取り性能は同等で優れていることを報告する。
岩井 保則; 山西 敏彦; 西 正孝; 八木 敏明; 玉田 正男
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(7), p.636 - 642, 2005/07
被引用回数:20 パーセンタイル:77.57(Nuclear Science & Technology)放射性排水の電解処理における高分子材料の耐久性評価を目的に固体高分子電解槽に使用する高分子材料の放射線耐久性を500kGy前後の線照射量において評価した。500kGy前後の線照射量では電解膜の強度及びイオン交換能,シール材の強度については問題となるまでの低下が起こらないことを明らかとした。絶縁材として従来使用されている四フッ化樹脂系についてはポリイミド系材料に代替させることで電解槽全体の放射性耐久性の問題を解決できる見通しを得た。電解膜の破壊メカニズムについては線の直接的破壊効果と線により生成するラジカルによる間接的破壊効果の複合が考えられたが、間接的破壊効果は有意な影響を与えていないことを明らかとした。また劣化に酸素が大きく影響することを明らかとした。容易に測定できる溶出フッ素量は主鎖の劣化を示す強度及び側鎖の劣化を示すイオン交換能とそれぞれ確かな再現性がある相関関係を有することを明らかとした。よって、このことを利用して溶出フッ素量から電解膜の劣化を判定することが可能であることを見いだした。
八巻 徹也; 浅野 雅春; 吉田 勝
月刊エコインダストリー, 10(6), p.5 - 11, 2005/06
DMFC用の電解質膜にかかわる最も重要な研究課題として、メタノールクロスオーバーを抑制できる膜の開発がある。筆者らは、独自に開発した放射線照射プロセスを利用して、この課題をクリアする高性能な電解質膜の作製に成功した。高温下の線照射で架橋構造を付与したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜に放射線グラフト重合を応用することにより、スルホン酸基の量を市販膜ナフィオンの3倍にまで高めた新しいフッ素系高分子電解質膜を作製し、そのプロトン伝導性が最大で2倍に達することを明らかにした。この膜のメタノール透過試験を行ったところ、30体積%という高濃度の水溶液を用いても透過係数がナフィオンの約4分の1にまで大幅に抑制されていることがわかった。PTFE主鎖への架橋導入がメタノールクロスオーバーを抑制するのに不可欠であることを示すことができた。
片貝 秋雄; 玉田 正男; 永本 浩之*; 宮川 博*
日本イオン交換学会誌, 16(2), p.122 - 126, 2005/05
アクリロニトリルとメタクリル酸との放射線共グラフト重合法及びグラフト鎖中のシアノ基のアミドキシム基への変換によって、キレート形成基としてアミドキシム基を持つキレート繊維を作製した。放射線共グラフト重合法でのモノマーを繰り返し使用して、グラフト鎖の組成及び重金属イオン吸着容量に及ぼす効果を調べた。共グラフト重合で生じるホモポリマーの量が0.15g/Lと無視できるほど少ないために、4回モノマーを繰り返し使用しても共グラフト率の低下は初回の170%に比べて10%程度であった。アミドキシム基密度,亜鉛及びカドミウムの吸着容量への影響は小さかった。4回モノマーを繰り返し使用することにより、50%コストダウンすることができた。
八巻 徹也; 浅野 雅春; 吉田 勝
工業材料, 53(1), p.63 - 67, 2005/01
PEFC用の高分子電解質膜にかかわる重要な研究課題の一つとして、低湿度下で作動する膜の開発がある。原研では、PTFE膜に放射線で架橋構造を付与し、それに放射線グラフト重合法を応用することにより、プロトン伝導を担う官能基(スルホン酸基)の量を従来の3倍にまで高めた新しいフッ素系高分子電解質膜を作製する技術を開発した。そして、最近の研究において、スルホン酸基の量を制御した架橋PTFE電解質膜に対し、温度,相対湿度(R.H.)の制御下でプロトン伝導性を検討したところ、その指標である伝導率がR.H.を下げても大きく低下せず、低加湿の条件下であっても高伝導膜として十分に機能することがわかった。本稿では、独自開発による架橋PTFE電解質膜の作製技術とプロトン伝導性、さらには今後の課題などを紹介する。
八巻 徹也; 吉田 勝
燃料電池, 4(3), p.73 - 78, 2005/01
固体高分子形燃料電池用の電解質膜として広く使われているナフィオンでは、プロトン伝導性を維持するのに絶えず加湿して高い含水状態を保たなければならず、膜の乾燥による作動中の出力低下が問題となっている。また、高分子主鎖に架橋構造を持たないため、水や燃料として用いられるメタノールによって大きく膨潤してしまい、このことも実用化を妨げている要因の一つである。われわれは、架橋構造を付与したPTFE膜に放射線グラフト重合法を応用することにより、プロトン伝導を担うスルホン酸基の量を最大でナフィオンの3倍にまで高めた新しいフッ素系高分子電解質膜を作製し、そのプロトン伝導性が相対湿度(R.H.)を下げても大きく低下しないことを明らかにした。例えば、相対湿度70%という低加湿の下では、ナフィオンの4倍に相当する伝導度0.14S/cmを示し、実用上十分なレベルであった。親水性領域をキャピラリーに見立てたミクロなモデルで伝導機構について考察した結果、高いイオン交換容量と寸法安定性を兼ね備えていることが高伝導性の原因と考えられた。
永目 諭一郎; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 秋山 和彦; 石井 康雄; 佐藤 哲也; 平田 勝; 西中 一朗; 市川 進一; et al.
Radiochimica Acta, 93(9-10), p.519 - 526, 2005/00
被引用回数:30 パーセンタイル:87.1(Chemistry, Inorganic & Nuclear)東海研究所タンデム加速器を用いて進めてきた超重元素(104番元素)ラザホージウム(Rf)の単一原子レベルでの化学挙動研究について報告する。特に短寿命(78秒)で数分間に1原子の割合で生成するRfのイオン交換挙動を調べるために開発した自動迅速イオン交換分離装置の概要を紹介する。また最近得られたRfのフッ化物錯体のイオン交換挙動について詳しく述べる。これはRfのフッ化水素酸溶液中での陰イオン交換挙動が、周期表同族元素であるジルコニウムやハフニウムの挙動とは大きく異なっていて、Rfのフッ化物形成に相対論効果が寄与している可能性を指摘する興味深い結果である。
豊嶋 厚史; 羽場 宏光*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 秋山 和彦; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 雑賀 大輔*; 松尾 啓司*; 佐藤 渉*; et al.
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 5(2), p.45 - 48, 2004/12
フッ化水素酸溶液系での陰イオン交換クロマトグラフィーにおける104番元素ラザホージウムの溶離曲線を、単一原子レベルで初めて測定した。5.4モルフッ化水素酸中での分配係数を溶離曲線のピーク容量から286mL/gと決定した。
金沢 徹*; 日高 昭秀; 工藤 保; 中村 武彦*; 更田 豊志
JAERI-Tech 2004-050, 53 Pages, 2004/06
シビアアクシデント時における燃料からの放射性物質放出を調べるVEGA実験では、放出量評価の一環として、実験後に装置配管を酸洗浄した溶液を線計測し、燃料からの放出量と装置内への沈着量のマスバランスを求めている。しかしながら、照射後数年間冷却した燃料を用いた場合、短半減期核種や微量元素の定量化が不可能である。そこで、これらの放出及び移行評価を目的として、誘導結合プラズマ原子発光分光分析(ICP-AES)を用いて酸洗液中の元素分析を実施することにしている。分析に際しては、装置の汚染防止及び被曝量低減の観点から、主な線源であるCsを事前に溶液から除去しておく必要がある。アンモニウムモリブドリン酸(AMP)を用いるイオン交換分離法について、分離試験を実施した結果、Csを99.9%以上分離できること、また、錯化剤を併用することによって、一旦分離されたSbも回収可能であることが明らかになった。また、AMP法でCs分離したVEGA-3実験の酸洗液を、ICP-AESにより試験的に元素分析した結果、U, Sr, Zrの定量化に成功した。今後、Cs分離法として沈殿分離法も併用しつつ、ICP-AESを用いて、放出,移行挙動を明らかにしてゆく予定である。